淡く柔らかい曲調はいかにふたりにとって「あの頃」が優しい記憶だったのかを表しているように感じます。その反面、なぜこんなに心地よいリズムを生み出しているかといえば韻を踏んでいるからで、なんで韻を踏んでいるかというとはすべてが過去形だからなんですね…。過去だからこそこのやわらかな空気が成立していると思うととてもせつない。それでもテツくんと青峰くんにとっての原点は同じだし、「確かに受け取っていたキズナ」がそこに在ったということを噛みしめて泣けます。

黒子くんと赤司くんの関係性の描き方あまりにも絶妙。ふたりは同じ出来事に対して逆方向にひずんでしまったゆえにお互いの主張もぶつかりあうことになってしまった裏表の存在だと思うんですが、 「今こそぶつけよう」とか「必ず突きつけよう 揺るがない自分の 答えだと」が2人の混声になる構成は本当に素晴らしいです。歌声があまり溶け合わないのもたまりません。

テツくんの芯の強さとまなざしが伝わってきます。耳馴染みの良いメロディがナチュラルな歌声と相性ぴったりで好きです。

火神くんが眩しくて死ぬほどかっこいい。ストリングスの重たさからは火神くんから託された信頼と火神くんに託す信頼はどちらも重厚で力強いんだ、というのが響いてくるようです。ここでは青峰くんは倒されるべき敵として立ちはだかっていますが、そういう「火神くん目線で見た青峰くん」のフィルターもよく表れてると思います。

３人の掛け合いと温度差が面白くてすごく楽しいです。火神くんとむっくんが言い争ってても、氷室くんが朗らかに「ふたりともホントSpecialで♪」って空気読まずに入ってくる（しかも歌めちゃくちゃ上手い）の、何回聴いても最高です。最後の室ちんとアツシのやりとりも可愛い。

青峰大輝